◎多勢は勢ひをたのみ、少数は一つの心に働く。
◎堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
◎勝つことばかり知りて、負くること知らざれば、害その身に至る。
◎世におそろしいのは、勇者ではなく、臆病者だ。
◎戦いでは強い者が勝つ。辛抱の強い者が。
◎己を責めて、人を責むるな。
◎及ばざるは過ぎたるより勝れり。
◎多くを与えねば働かぬ家臣は役に立たぬ。また、人間は豊かになりすぎると、結束が弱まり、我説を押し通す者が増えてくる。
◎人の一生は、重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず。
◎いくら考えても、どうにもならぬときは、四つ辻へ立って、杖の倒れたほうへ歩む。
◎決断は、実のところそんなに難しいことではない。難しいのはその前の熟慮である。
◎平氏を亡ぼす者は平氏なり。鎌倉を亡ぼす者は鎌倉なり。
◎天下は天下の人の天下にして、我一人の天下と思うべからず。
◎いさめてくれる部下は、一番槍をする勇士より値打ちがある。
◎人は負けることを知りて、人より勝れり。
◎家臣を扱うには禄で縛りつけてはならず、機嫌を取ってもならず、遠ざけてはならず、恐れさせてはならず、油断させてはならないものよ。
◎人生に大切なことは、五文字で言えば「上を見るな」。七文字で言えば「身のほどを知れ」
◎人を知らんと欲せば、我が心の正直を基として、人の心底を能く察すべし。言と形とに迷ふべからず。
◎われ志を得ざるとき忍耐この二字を守れり。われ志を得んとするとき大胆不敵この四字を守れり。われ志を得てのち油断大敵この四字を守れり。
◎愚かなことを言う者があっても、最後まで聴いてやらねばならない。でなければ、聴くに値することを言う者までもが、発言をしなくなる。
◎得意絶頂のときこそ隙ができることを知れ。
◎敵だというのも自制心を忘れた怒りである。
◎われ独り出頭して、一人して事を埒あけたがるように致す、これ大なる病なり。
◎およそ人の上に立って下のいさめを聞かざる者の、国を失い、家を破らざるは、古今とも、これなし。
◎一手の大将たる者が、味方の諸人の「ぼんのくぼ(首の後ろのくぼみ)」を見て、敵などに勝てるものではない。
◎家臣を率いる要点は惚れられることよ。これを別の言葉で心服とも言うが、大将は家臣から心服されねばならないのだ。
◎最初に軽い者を遣わして埒があかないからといって、また重い者を遣わせば、初めに行った者は面目を失い、討ち死にをするほかはない。
◎あぶない所へ来ると、馬から降りて歩く。これが秘伝である。
◎大将というものはな、家臣から敬われているようで、たえず落ち度を探されており、恐れられているようで侮られ、親しまれているようで疎んじられ、好かれているようで憎まれているものよ。
◎明日はきっと一戦あるなというようなときは、首をよく洗っておけ。武士たるもの、生きているときは鬼神のように戦い、死しては誉を永遠に残せるよう心掛けよ。
◎諸人の頭(かしら)などをするいまどきの者で、軍略を立てて床几(しょうぎ:折り畳み式簡易腰かけ)に腰をかけ、采配を持つ手さえ汚さずに、口先だけで戦に勝てるものと心得ているのは、とんだ考え違いだ。
◎一手の大将たる者が、味方の諸人の「ぼんのくぼ(首の後ろのくぼみ)」を見て、敵などに勝てるものではない。
◎私はケチだから麦飯を食べているわけではない。いま天下は乱れに乱れ、領民も安らかな日は一日もない。そんななか私一人が暖衣飽食などできるものか。私が麦飯を食っているのも、少しでも節約して軍資金に回すためなのだ。
◎重荷が人をつくるのじゃぞ。身軽足軽では人は出来ぬ。
◎真らしき嘘はつくとも、嘘らしき真を語るべからず。
◎怒ったときには、百雷の落ちるように怒れ。
◎最も多くの人間を喜ばせたものが、最も大きく栄える。
◎願いが正しければ、時至れば必ず成就する。
◎人間は、健康でありすぎたり、得意すぎたりする時にも警戒を要するのだが、疲れたおりの消極性もまた厳に戒めなければならない。
◎放っておけ。それより書いてある内容が見たい。予のためになるものもあるだろう。
◎不自由を、常と思えば、不足なし。心に望み起こらば、困窮したるときを思い出すべし。
◎大事を成し遂げようとするには本筋以外のことはすべて荒立てず、なるべく穏便にすますようにせよ。
◎滅びる原因は、自らの内にある。
◎道理において勝たせたいと思う方に勝たすがよし。
◎早まって相手の肚◎我がために悪しきことは、ひとのためにも悪しきぞ。
◎真面目で、主君思いで、協調性もあり、勤勉な上に仕事もできる。そんな心と能力を持った人間はトップクラスの良臣だ。しかし、心ばえはそこまで良くなくても、何か優れた能力を持った者ならば採用すべきだ